HOME > 耐震診断 > 耐震改修は新築よりもずっと大変!

耐震診断

耐震改修は新築よりもずっと大変!

耐震改修の検討は、まず耐震診断を行うことから始まります。

耐震診断を行わないと、必要な補強量が把握できず、補強方法等を計画できません。
耐震診断は前述のように構造計算ですので相当のコストが掛かるため、耐震診断をする前に大凡の補強の要否や補強計画が検討できないかとか、コストの低減を狙って、手始めに建物診断やPML等、比較的コストの掛からない方法で初期的検討ができないかとか、ご相談を受けますが、残念ながら、そのようなことを行って、仮に補強計画を作成したとしても何の役にも立ちません。結局は耐震診断を行わないと何も確かなことは分からないのでそれ以上一歩も進めないことになります。

真剣に耐震改修をお考えであれば、まず、単独で耐震診断のみを実施してみることをお勧めします。

ここで言う「単独で」の意味は、「何のしがらみもない状態で」という意味です。

耐震改修の工事は新築工事よりも遥かに大変です。新築工事であれば通常問題になるのは、
・近隣
・(物体としての)既存建物
・境界条件
・道路事情
・地中障害物

等ですが、耐震改修の場合、上記に加えて通常「居ながら施工」の問題が発生します。
耐震改修を検討するということは、その対象は今現在使っている建物ということになりますので、そこには自用建物であれ賃貸建物であれ、使っている人がいます。
この「使っている人」に対してどう対応していくか?というのが施工上の最大の問題となります。
10~15年ピッチで行われる大規模修繕も同様の問題を有していますが、大規模修繕の多くは共用部分に対するものであり、かつ、建物の表層に関するものなので、まだましです。
ところが、耐震改修の場合、建物の内部にある構造体に対して行う必要があることから、深刻度が格段に増します。「仮設」や「工事のやり方」が工事コストを大きく左右することになります。

「仮設」や「工事のやり方」が工事コストに占める割合が大きいため、補強設計まで完了して、出来上がりの姿が確定している(補強部材・改修部材の数量が確定している)状態からスタートしても、請負会社によって、見積額は大きく変わってきます。
新築工事であれば、同クラスのゼネコンに相見積を取っても、せいぜい見積額の差は1割程度です。それに対して、耐震改修工事の場合は、倍半分の差が生じることも珍しくありません。
誰だって、出来上がり姿が同じで、会社の信用度も同じくらいだったら半分の金額で請け負ってくれるところに頼みたいですよね?
でも、耐震診断の段階から特定のゼネコンに依頼してしまうと、もうそこのゼネコンに頼むしか選択肢がなくなってしまうのです。

「単独で」耐震診断のみ実施する、という意味がおわかりいただけたと思います。


このページのトップへ